お知らせ

新型コロナウイルスの感染が広がってすでに一年以上が経ちます。当初は、スポーツクラブでのクラスター発生を、マスコミが挙ってニュースとして流したため、広く、世の中の人々は、スポーツクラブは危ないところだというイメージが広がりました。その後、FIAがガイドラインを何ども改訂し、8月には西村経済再生大臣が、最近のスポーツクラブでは感染者は出ていない、ガイドラインに則って運営すれば大丈夫であると記者会見で話しています。また、FIAは、11月12日に、フィットネスクラブでは今までで、35件コロナの陽性者が利用したことが報告されているが、利用履歴等ですべての人が明らかになっており、濃厚接触者や消毒などの行政指導は1件も受けていない旨を報告しています。

しかし、マスコミなどのメディアは、クラスター発生時は大きく報道するものの、このところのフィットネスクラブの安全性が担保されていることについては、特に取り上げることなく、フィットネスクラブは危ないところだというイメージが損なわれたまま、今もそのように思っている人は、少なくありません。特に高齢者のフィットネスクラブの意識は、棄損されたままになっています。よって、これまでのフィットネスクラブのイメージを払拭するための以下の3つのポイントをフィットネスクラブ自らが、強くPRしていかないといけません。誰かがやってくれると思ったら大間違いで、自分たちで強くPRしないといけません。

 

  • 最高レベルの安全性を確保しているのがフィットネスクラブである。

フィットネスクラブでは、会員全員の入館時の検温、健康チェック、入退館を記録し、感染予防対策を徹底して行っています。通常の飲食店、カラオケ店、小売店などの店舗では、不特定多数が来館し人の出入りがありますが、フィットネスクラブは不特定多数が利用する施設ではなく、名前、住所、年齢、健康状態等詳細にわかっている人が会員であり、決められた人(会員)が、利用する施設であるため、非常に安全性が高い状況です。その施設で厳しいガイドラインに基づいた感染予防対策を施して、継続的な換気、消毒を行い、三密を避け、できる限りの安全な距離を保って、運動を行っています。

日本以外の世界の国のフィットネスクラブの感染状況については以下のような報告がされています。オーストラリアでは、423クラブを対象に2020年6月13日から8月11日まで利用者を調査し、626万人のうち13人が感染していたが、クラスターにはならなかったと報告されています。イギリスでは、7月25日から8月16日までFCを利用した者を調査し、800万人中17人が感染していたが、クラスターには至らなかったとしています。アメリカでは、2873クラブを対象に調査し、4940万人のうち1155人が感染していた(感染率0.023%)。こちらも市中感染には至らなかったとしています。現在、アメリカでは、人口33,000万人に対して、3,100万人(12か月間)が、コロナ新規感染者であり、月間の新規感染率は、0.78%なので、フィットネスクラブでの感染率0.023%は、極めて低いことがわかります。これらのことから、①ガイドラインに従って運営されているFCにおいては、会員、地域、スタッフにとって安全である。②FCは感染拡大のホットスポットではないことが明らかになっています。※1

 

・ステイホームが長引いていることで、健康の二次被害が発生している。

日本におけるフィットネスクラブ数は、2019年時点で、民間クラブで6,200店を超え、利用者(登録会員数)は、550万人以上となっています。つまり緊急事態宣言発令下では、これだけの規模で、健康の保持増進のための運動機会が、日常から失われたことになり、「健康二次被害」の発生している可能性が高くなっています。海外での報告では、COVID-19による外出自粛ステイホームでは、すべてのPA(身体活動)が(高強度、中程度、歩行、および全体)が減少し、悪影響を及ぼしました。さらに、毎日の座っている時間は1日あたり5時間から8時間に増加しました。〔一日の座位時間が4時間超えると、死亡率が上がり、冠動脈疾患や糖尿病、メタボリックシンドローム、がんなどの健康阻害リスクも高まるという報告されています。〕 また、栄養面では、食事のパターン(食物の種類、食事間の軽食、主要な食事の数)は、外出自粛によりすべて悪化したことが報告されています。ただ唯一の良かったこととしては、アルコールの暴飲のみが大幅に減少したことです。隔離は公衆衛生を保護するために必要な手段ですが、結果は、隔離が健康を損なう方向に身体活動と食事行動を変えていると報告されています。※2

日本国内のコロナ禍での体の不調を訴える人の調査(インターネット調査、ツムラ)では、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、体の不調を訴える人が増えているが、医療体制がひっ迫していることから、医療機関で受診することを躊躇している人が多いことが、20代~40代の男女1,800人に実施した調査で明らかになりました。その調査によると、2020年に不調を感じた人の割合は57.2%で、男性の50.2%に対して女性は64.2%と、女性の割合が高くなっています。不調の症状を多い順にみていくと、1位「目の疲れ」(63.7%)、2位「疲れ・だるさ」(60.1%)、3位「肩こり」(59.6%)であり、これを女性に限ってみていくと、1位「肩こり」(72.8%)、2位「疲れ・だるさ」(71.8%)、3位「目の疲れ」(71.7%)と、全体的に女性の方の不調スコアが高くなっています。この背景には、コロナ禍によって自宅にいて、テレワークやテレビを見たり、ゲームをしたりと、屋内で気軽にできることが増えたため、身体不活動になり不定愁訴の訴えが増えたのではないかと思います。※3

 

・運動継続が、感染リスク、死亡リスクを下げ、ワクチンの効きをよくすることが明らかになっている

医学誌のひとつ、Sports Medicineが2021.3月に発表した論文、「一般集団における身体活動、免疫機能および市中感染症のリスク:系統的レビューとメタ分析)」によると、定期的な身体活動は、多くの非感染性疾患を予防するための主要なモダリティ(様式、用法)であり、COVID-19 やその他の感染症に対する回復力も提唱されています。運動習慣者は、市中感染症リスクが31%低減 され、感染症による死亡(主に肺炎)のリスクは37%減少する。身体活動は、補助的な身体活動のないワクチン接種と比較して、ワクチン接種後の抗体濃度を増加させた。(Chastin et al. Sports Medicine 2021.03)。 ※4

また今年に入り発表された「身体活動とCOVID-19感染および死亡率のリスク:症例対照研究」韓国の最新の研究では、中高強度の身体活動を行っている人が、COVID-19感染のリスクが10%低く、COVID-19感染関連の死亡率が53%低いことと関連していることを明らかにしました。※5

※1 https://www.ihrsa.org/about/media-center/press-releases/global-data-show-covid-19-transmission-in-gyms-is-rare/

※2. COVID-19による外出自粛が食事と身体活動に及ぼす影響:国際オンライン調査の結果(A Ammar.2020.12)

※3. 調査概要 ■実施時期:2020年11月17日(火)~ 11月18日(水) ■調査手法:インターネット調査(ツムラ) ■調査対象:全国の20代~40代男女1,800人

※4 Sebastien Chastin et al.  Effects of Regular Physical Activity on the Immune System, Vaccination and Risk of Community‑Acquired Infectious Disease in the General Population: Systematic Review and Meta‑Analysis、Sports Medicine、 March 2021.

※5.  DH Cho, et.al、 Physical Activity and the Risk of COVID-19 Infection and Mortality: A Nationwide Population-Based Case-Control Study、 Journal of Clinical Medicine, 2021. mdpi.com

 

 

 

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