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                              (株)プロフィットジャパン

                              博士(医学) 菊 賀 信 雅

以前、水素療法の内容について、掲載させていただきました。

その後の調査で、水素吸引ができる営業店舗・サロンは、全国47都道府県すべてにあり、単独店の他にも、フィットネスクラブやクリニック、接骨院、パーソナルジム、エステティックサロンなどの業態や複合施設として270施設以上になっていることがわかりました。

特に、フィットネスクラブやアスレチックジムなどのアスリートの酸素摂取能力(VO2Max)の向上やATP産生の増加がパフォーマンスの向上につながる種目については、積極的に取り組まれてようです。パリオリンピックでメダルを取った選手や、活躍したアスリート、病気から復活した選手が競技力向上や持久力のアップを水素吸引によって、行われているとの報告も上がっているようです。

一般人の脂肪燃焼プログラムや疲労回復プログラム、睡眠の質向上のためのサポートプログラム、不定愁訴〔肩こり、腰痛、脚の疲れ・むくみ〕の解消に役立つプログラムとしても注目されています。

疾病別の運動プログラムがフィットネスクラブで主体的に取り組まれていますが、水素吸引が活性酸素種の除去につながることで、高血圧や心疾患、脳血管疾患などの改善に役立つプログラムとしても期待されています。

NHKの『ゴースト血管スペシャル』では、ゴースト化した血管(血行が不良となった血管)が、水素吸引によって血流が改善し、様々な疾患や体調不良を改善する特集番組が放送されました。

事の発端は、東京都健康長寿医療センター生体調節機能研究室の大澤先生が、2007年にNature medicineに発表された論文〔水素が細胞中のヒドロキシルラジカルやペルオキシナイトライトなどの酸化力が強い活性酸素種を消去すること,ならびに水素が酸化ストレスに対して細胞防御機能を有することを明らかにした〕を皮切りに、水素の治療効果や予防効果が調べられ、1,600を超す論文が発表されています。これらの論文では,ほぼすべての臓器で直接的あるいは間接的に酸化ストレスが関与する疾患モデルに対して水素の効果があることが示されています。さらに,水素には抗炎症作用や抗アポトーシス作用,抗アレルギー作用などの多くの機能があることや,体温の維持(血行促進)、エネルギー代謝を活性化することも明らかになりました。

前号では、体脂肪の減少、ATPの増大、酸素摂取量の増加等の内容を記載しましたが、

詳細のデータが、手に入りましたので、記載させていただきます。

  • 水素でパワーアップ (水素で速筋繊維がパワーアップ、更にパワーを維持)

筋肉を動かしたり、心臓や肝臓、腎臓などの臓器の活動にはエネルギーとなる「ATP(アデノシン三リン酸)」と「体温(熱エネルギーの産生)」がなくては活動できません。ATPや熱は水素が細胞のミトコンドリア内膜を流れていく過程で生成されます。水素は身体のエネルギーや熱を作るために必要不可欠な働きを持っています。

もちろん運動にもATPが使われ、運動量が多いほどATPをたくさん必要とします。実験では水素を吸うと、運動時の筋肉内のATP量が大きく上昇しました。特に速筋での上昇が大きく、早くパワフルな動きや筋力トレーニングなどには水素が有効であると思われます。

 

  • 水素で持久力向上 (水素吸入で最大酸素摂取量(VO2MAX)が増加)

持久⼒の指標として「最⼤酸素摂取量(VO₂max)」は、全⾝持久⼒を⽰す値として広く知られています。⽔素によってエネルギー⽣成能⼒や持久⼒の向上が期待できるとすれば、酸素摂取量にも影響を及ぼすことが考えられます。そこで、かなり強度の高い運動として、自転車の20秒間の全力ペダリング運動で、何も吸入しないグループ(コントロール)と、運動前と運動中に水素吸入をしたグループに分けて調査を実施しました。結果、水素吸入をしたグループは酸素摂取量の増加や、運動中の心拍数の減少で持久力のパフォーマンス向上が考えられました。

 

水素を吸入することで運動時の酸素摂取量は増加する

 

  • 水素で脂肪分解が促進 (水素吸入で脂肪分解向上、有酸素と組み合わせると更に向上)

脂肪が燃えるときは、脂肪分解によって作られる遊離脂肪酸が増加します。

実験では、何もしていないグループ(コントロール)に比べて、水素吸入をしたグループは約2倍の脂肪分解の向上が見られました。水素吸入に有酸素運動を加えるとさらに20%脂肪分解が促進しました。水素はシェイプアップ効果の期待が考えられます。

水素吸入、水素吸入+運動と遊離脂肪酸濃度との関連

  • 過酸化脂質は老化の原因。水素による抗酸化作用で、過酸化脂質を減少させる。

美容や健康を考えるうえで非常に厄介なのは、活性酸素種の過酸化脂質です。

過酸化脂質とはコレステロールや中性脂肪といった体内の脂質が活性酸素で酸化されたものをいいます。身体にとって錆びのようなものです。

 

  • 睡眠との関連

水素の効果として睡眠促進が期待されています。

水素を摂取すると副交感神経が優位になり、睡眠の質が向上すると言われています。

また、十分な睡眠は身体の抗酸化能力を上げて、酸化ストレスに対して強い身体になります。

水素で睡眠の質を上げて、睡眠で身体の抗酸化能力を向上する、正のスパイラルを生むことが考えられます。

名古屋でクリニック運営されている小林先生の研究では、水素吸引によって、副交感神経を優位になり、脳波がβ波(精神的、肉体的に負荷がかかった状態)から低下し、安定した状態となり、リラックスした状態になっていると報告されています。来院される患者さんは、不眠に悩む方や精神的に不安定な方にとても喜ばれているとコメントされています。

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